- カナダの仕事探しで必要なレジュメの書き方
- 合格できるレジュメの書き方
- レジュメ作成におすすめのツール
レジュメ(CV)とは
レジュメとは、学歴や職歴、ボランティア経験、その他の資格やスキル、業績をまとめた書類のことで、日本でいう履歴書にあたります。応募する仕事に自分が適任であることをアピールし、雇用者に面接したい!と思ってもらうことを目的として作成します。

この記事ではレジュメの書き方にフォーカスして解説していくよ!
レジュメの作成方法
応募するポジションに合わせたレジュメにする
結論、受かるレジュメに最も重要なのは、応募する特定の会社の特定のポジションにレジュメを最適化することです。というのも、雇用主はレジュメを審査する際、特定のポジションに必要な能力や経験があるかどうかで合否を判断するからです。特に、応募者多数の大規模な会社では第一審査段階でロボットがレジュメをスクリーニングするソフトウェア(ATSという)を導入していることが多く、レジュメの最適化ができていないと、採用者の手にさえ渡らない可能性だってあるんです。
ATS( Applicant Tracking System)を理解する
ATS( Applicant Tracking System)とは、多数の応募者を持つ会社の第一審査で使用されるソフトウェアのことです。簡単にいうと、ロボットが応募者のレジュメと特定のポジションのマッチングを判断する仕組みです。ATSを攻略する上で重要なのが、求人ポストのjob descriptionにあるキーワードをレジュメに入れ込むことです。
Job descriptionとは、求人ポストにおける、特定のポジションに必要なQualification(資格、スキル)やResponsibility(業務内容)を記載したものです。
カナダでも有名な求人サイト、IndeedでいうとJobdescriptionは以下の部分です。


job descriptionのキーワードをレジュメに入れ込む
大事なので繰り返し言いますが、レジュメを特定のポジションに最適化するには、求人ポストのjob descriptionにあるキーワードをレジュメに入れ込む必要があります。分かりやすく例を交えて解説していきますね。
例:Customer service representative(顧客サービス担当者)に応募したい
Job descriptionに以下のような文があったとします。
Seeking a customer service representative with excellent communication skills, problem-solving abilities, and a strong commitment to ensuring customer satisfaction. Responsibilities include responding to customer inquiries via phone and email, resolving issues promptly, and maintaining a positive and professional demeanor.
太字になっているのは重要キーワードで、これらのキーワードを使いながら、レジュメの文を書いていくと以下のようになります。
Customer Service Representative with a proven track record of delivering exceptional customer experiences through effective communication and adept problem-solving skills. Skilled in addressing customer inquiries via phone and email, resolving issues promptly to ensure customer satisfaction. Maintains a positive and professional demeanor in all interactions. Strong commitment to delivering high-quality service in alignment with company goals.



こうした文をレジュメ中のどこに入れ込むかは以降で解説していくよ!
レジュメの3大フォーマット
レジュメには代表的な3つのフォーマットがあります。それぞれの書き方、メリットやデメリットを理解し、状況に応じて自分に合ったフォーマットを選びましょう。
1. Chronological Resume
Chronological Resumeは、最も王道でよく使われるフォーマットです。Chronological(時系列順)に職歴を記載し、経験にフォーカスするところに特徴があります。職歴は、最も最近のものが上にきます。
Chronological Resumeの構成要素
Chronological Resume を書く時は以下の情報を入れましょう。
- 名前
- 連絡先(電話番号・メール・あればリンクドインのリンク・ウェブサイトのリンクなど)
- レジュメのサマリー
- 職歴
- 学歴
- スキル
サンプル・詳しい書き方


Summary
レジュメ全体のサマリー(要約)を書きます。この部分を読んで採用者に「続きを読みたい!」と思ってもらえるようにすることが目的です。サマリーの代わりにCareer Objectiveを書くパターンもありますが、筆者は断然サマリーの方をおススメします。
というのも、Career Objectiveは、”Seeking a part-time position as a Server where I can contribute my exceptional communication skills and friendly disposition.”のように、「どんなスキルを活かすためのどのようなポジションを探しているか」をまとめたものなのですが、応募している時点でどのポジションを探しているのかは自明であり、どんなスキルがあるかはサマリーでまかなえるのであまり書く意味がないからです。
サマリーはレジュメ全体が完成してから作るほうが書きやすいです。筆者は”Resume summary example”などと検索して書き方を学んだり、chat GPTにレジュメの全体像を教えてサマリーを書かせ、必要に応じて修正しながら作っていました。サンプルのように短いパラグラフ一つで書くも良し、3-5つの箇条書きで書くも良しです。
Contact
電話番号・メールアドレス・住所はマストです。顔写真は載せないのが普通です(人種などの見た目から差別されることを避けるために採用者側が強要することは法的にアウト)。メールはプライベート用と別に仕事探し用のメールを一つ持っておくと良いです。フルネーム@gmail.comのような形で作ると見栄えが良いでしょう。プライベート用と分けることで自分で管理しやすいだけでなく、良く分からないメールアドレスを使うより採用者側からも印象が良いです。
LinkedInのアカウントを持っている人はリンクを載せておくとベター。ただしプロフィールを作りこんでおらずアカウントだけ持っているという場合はむやみに載せないほうが良いです。



需要があればリンクドインのプロフィールの作り方も後々記事にするのでコメントで教えてね
Work History
サンプルではインターンの経験も含んでいるので単に” Experience”としていますが、一般的には”Work History”や “Work Experience”などと書かれます。職歴を一番最近のものが上にくるように記載します。
サンプルのように、ポジション、職場名、ロケーション(都市、州、国など)、勤務期間を明記しましょう。
Barista(ポジション), ABC bubble tea(会社名), Vancouver BC(ロケーション), May 2023-Sep 2023(勤務期間)
ポジションを記入したあとは、達成したことを箇条書きで2-3個書きましょう。”I”(主語)はいりません。a verb(動詞)+a task(タスク)+a result(成果)の構文を使いましょう。その際、できるだけ数字のデータを入れること、そして以前のセクションで説明したように、job descriptionにあるキーワードを入れ込むことがポイントです。
A verb+ A task+ A result 構文 の例


動詞の選び方
レジュメを書くときは、インパクトの弱い動詞や受け身形などを避けるようにし、パワフルな”Action verb”を使うことが推奨されています。Action verb一覧はこちらです。適切な動詞が思いつかないときに参考にしてください。
Leadership | Responsible for | Communication | Achiever | Worked on: |
Delegated | Accomplished | Advocated | Advanced | Arranged |
Guided | Achieved | Clarified | Created | Compiled |
Directed | Completed | Conveyed | Delivered | Composed |
Enabled | Acted as | Mediated | Improved | Developed |
Facilitated | Completed | Promoted | Managed | Organized |
Executed | Operated | Persuaded | Produced | Perfected |
Inspired | Secured | Consulted | Stimulated | Forged |
Action Verbs 一覧
- Deligated
- Enabled
- Facilitated
- Executed
- Accomplished
- Completed
- Promoted
- Created
- Improved
- Arranged
- Organized



必ずしもリスト中の動詞を使わないといけないというわけでは決してないよ!他にも”Action verb resume”などと検索すると沢山ヒットするので見てみてね。
Skills
応募するポジションに生かせるHard SkillsとSoft Skillsの両方を入れましょう。
- Hard Skills
-
専門的なスキル。パソコンスキル、デザイン、プログラミング、言語など。
- Soft Skills
-
業種や業界に囚われない一般的なスキル。コミュニケーション能力、チームワーク、課題解決能力など。
Education
職歴と同じく最も最近の学位が上にくるように書きます。高校までの中等教育は省き、高等教育(大学)以降の学歴を記載するのが一般的です。サンプルのように、学位・教育機関名・在学期間・ロケーションを明記しましょう。
まだ在学途中である場合、開始年月-卒業予定年月(Expected)か開始年月-Presentのように書きます。
Bachelor of English Studies ABC University, Tokyo, Japan, Apr 2021-Mar 2025 (Expected)



そのほか、応募するポジションに関連するコース、授業などを記載したり、GPAが良ければそれを記載しても良し。
その他
ボランティア経験等があれば記載するとかなりプラスになります。そのほか資格や賞などなんでもプラスアルファでアピールできることがあれば加えましょう。個人的には書かない派ですが、趣味を記載する人もいます。(笑)
Chronological Resumeのメリット・デメリット
- 単純明快で読みやすい
- ATSが好むフォーマットである
- 同じ職場に長期的に努めた経験や応募するポジションに関連した経験をアピールできる
- 短い期間でコロコロ職を変えたり、一年以上の無職期間があるなどのマイナス要素を強調してしまう可能性がある
- そもそも職務経験がないと書くことがない
2. Functional Resume
Functional Resumeは、スキルを強調するのに優れたフォーマットです。
Functional Resumeの構成要素
Functional Resumeを作るときは以下の情報を入れましょう。
- 名前
- 連絡先
- レジュメのサマリー
- スキルサマリー
- 職歴
- 学歴
サンプル・詳しい書き方


Contact, Resume Summary, Education
Chronological Resumeと重複するので説明は省きます。
Skills Summary
サンプルでは①Technological Skills、②Interpersonal Skills、③Analytical Skillsの三つをあげています。それぞれ箇条書きで2-3項目ほど、提示したスキルを得るにあたって積んだ経験に言及します。書き方のステップは以下の通りです。
文を書く上で、”I”(主語)はいりません。できるだけ数字のデータを入れること、そして以前のセクションで説明したように、job descriptionにあるキーワードを入れ込むことがポイントです。



job descriptionと自分の経験をChat GPTに読み込ませて文を生成してもらうのもアリ^^ 使えるものは使ってこー!
Work History
Work Historyで職歴を明記することで、Skills Summaryで言及した経験と繋がって説得力が出ます。
ポジション、会社名、ロケーション、働いていた年月を明記しましょう。
Functional Resumeのメリット・デメリット
- スキルを強調するので、長期間働いていない期間があるなど職歴のマイナスな要素を誤魔化しやすい
- 新しい業界に挑戦する場合、関連した職歴がなくてもtransferable skill を強調できる
- 職歴がない新卒・学生でも書きやすい
- 読む側にとってキャリアパスが分かりにくい
- Functional resumeを使う=経験が浅いということを露呈してしまう可能性がある
3. Combination Resume
Chronological ResumeとFunctional Resumeを組み合わせたのがCombination Resumeです。強調したいスキルを強調しつつ、職歴とそれに関する実績もアピールするためのフォーマットです。
Combination Resumeの構成要素
Combination Resumeを作るときは以下の情報を入れましょう。
- 名前
- 連絡先
- レジュメのサマリー
- スキルサマリー
- 職歴
- 学歴
サンプル・詳しい書き方


Skills Summary
強調したいスキルをピックアップし、a verb(動詞)+a task(タスク)+a result(成果)の構文を使ってスキルのもととなった経験を記述します。このとき、Functional Resumeのように一つのスキルに対して箇条書きで長々と説明する必要はありません。一つのスキルに対し一つの説明で十分です。
Work History
Chronological Resumeの時と基本書き方は一緒です。Skills Summaryである程度スペースを使ってしまっているので、各職歴に関する説明はChronological Resumeより短め/少なめで大丈夫です。
Combination Resumeのメリット・デメリット
- 応募するポジションに関連したkey skillsをアピールできる
- 職歴に関連した実績もアピールできる
- Chronological ResumeとFunctional Resumeのいいとこ取りができる
- 限られたスペースでスキルと職歴の両方を詳しく書くのが難しい



3つのフォーマットのメリット・デメリットを踏まえて自分に合ったフォーマットを選ぼう!
レジュメ作りに関するQ&A
- 実際にお店に行ってレジュメを手渡しようと思うのですが、その際「レジュメを最適化する」というのは考えなくて良いでしょうか?
-
確かに、ネット応募じゃない場合はそもそも「Job descriptionのキーワードをレジュメに入れ込む」ができないよね。その場合でも、応募するポジションにどんなスキルが求められているかを調べて、それらをレジュメに取り入れたほうが成功する確率は上がるよ!例えば飲食店のサーバーに応募したいならネットでサーバーの求人を探して、どんなスキルが必要とされているかを把握した上でレジュメを作ろう。
- 応募先ごとにレジュメを変えるべきですか?
-
毎回応募先ごとにレジュメを最適化できれば理想的だけど、何十件、場合によっては何百件も応募することを考えると、それは非現実的だよね。タイムパフォーマンスも良くない。だから、筆者はベースとなるレジュメを一つ作って、応募したい職種ごとに少しずつ変えて作ってた!本命のところはその場所専用のレジュメを作ったりもしてたけど、基本何パターンかできれば使いまわしてOK。
- レジュメを作るのにおススメのツールは?
-
画像生成ツールのCanvaがおすすめ。「Chronological Resume template」などと検索するとテンプレートがたくさんでてくるのでそれを自分で編集し直して作ってた。Canvaじゃなくてもネットで検索すれば無料のテンプレートがたくさん出てくるからそれを使うのもアリ。レジュメの第一印象は10秒で決まると言われているから、どれだけ視覚的に美しくて分かりやすいレジュメをつくるかが大事。
- 自分に合ったフォーマットが分かりません。どのフォーマットが一番おすすめですか?
-
一人一人状況が違うから一概には言えないけど、筆者は断然Chronological Resumeを勧める!というのは三パターン全部試して、一番感触が良かったのがChronological Resumeだったから。カナダの労働市場は経験を重視するから、読み手が一番関心のあるキャリアパスが詳細に分かるフォーマットが好まれるのではという予想。



最後まで読んでくれてありがとう!質問・リクエストはコメント欄から^^
Comment
コメント一覧 (11件)
頑張れ〜!!
頑張る!
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article. I desire to read more things about it!
Thanks! I have no idea how you deciphered Japanese though lol.
I’m writing English version of this article so you can take a look at it, too!
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